マスターピース・グループトップ > 社会貢献活動 > MPG Loves Football > MPG社員寄稿によるフットボール紀行 > 2008Champions League決勝戦 Moscow決戦を前にして

いよいよ大詰めとなった今年のチャンピオンズリーグ。Ruba Cuoreは残念がなら5月21日にモスクワで行われる決勝戦を現地で観戦することは出来ないが、大一番を占ってみた。
5月1日にチェルシーがCL準決勝2Legで食い下がるリバプールを蹴落とした。この瞬間、今年のCL決勝戦はバルサを倒した「マンチェスター・ユナイテッド」と「チェルシー」というプレミア対決となった。プレミア対決となると、大抵の人は通常のリーグ戦と同じと思うかもしれない。しかし、私にとっては今から興奮して仕事が手につかないくらいのものなのだ。
前回の観戦記でも触れたが、やはり、のったときのチェルシーの攻撃力はすさまじいものがある。特にバラックが足首の怪我が完治して、リーグ戦後半からしり上がりに調子をあげてきている。今や彼とドログバだけで大抵の欧州のチームのDF陣を崩せるほどの破壊力を感じる。これは間違いなく知将モウリーニョ前監督の遺産だ。しかし、後任となったグラント監督という人は、単についているだけの人なのだろうか。試合中は勿論のこと、試合後の会見でも全く笑顔を見せたことがない。本名は、アブラム・グランド。52歳。母国イスラエルの代表監督もつとめたことがある。彼の就任は、実はチェルシーのスカウト部門からの社内人事異動だった。オーナーのアブラモビッチ氏が自身と同じユダヤ系を偏重しているのでは、との噂は耐えない。が、今回の決勝でチェルシーが優勝すれば、つなぎ役では終わらない可能性だってあるだろう。いずれにしても、モウリーニョを尊敬するランパードとドロクバはこの決勝戦をもってチェルシーを退団することが確実視されている。彼らの意地がチェルシーの見所のような気がする。
一方、今年のマンUは、リーグ戦を通じてまず怪我人がいない。メディカルスタッフの功績は計り知れないものがある。ファーガーソン監督を支える参謀ケイロス氏の手腕も見逃せない。C・ロナウドを最前線に配置する所謂ゼロトップを導入したのもこのケイロス氏といわれている。選手については、まず、ここまで脅威の38ゴールをたたき出しているC・ロナウドは言うに及ばない。そして、ルーニーと何故か不思議なくらい噛み合った今季加入のテベス。彼ら3人が即興的に繰り出すアタッキングフットボールは、本決勝戦の最大の見所といっていい。ちなみに、現在23歳のCロナウドの年収は約16億円。週に換算すると3,000万円という天文学的なサラリーだ。そして、2Leg勝利の立役者となったスコールズ、彼の後継者といわれているアンデルソン、ギグスの後継者といわれているポルトガルの超新星ナニ、安定した守備力を形勢するリオとヴィディッチとマンUの選手層の厚さはハンパじゃない。
しかし、僕がなんと言っても注目しているのが、今やNAKATA選手に変わるアジアの星と言われる韓国の朴智星(パクチソン)選手だ。2002年のW杯での韓国代表監督を務めたフース・ヒディング氏の推薦を受け、オランダの強豪PSVアイントホーフェンに移籍し3年間で2度のリーグ優勝に大きく貢献した。この活躍がファーガーソン監督の目に留まり、2005年にマンUに移籍してきた。ファーガーソン監督曰く「こんなに無尽蔵に90分間途切れることなく走れる選手を見たことがない」と言わしめるほどの運動量、衰えないスピードが彼の最大の持ち味だ。恐らく欧州のどのクラブにもこういう選手は居ないはずだ。
朴智星は、19歳のとき韓国のミョンテ大学を中退して、「韓国サッカーの闘志を見て欲しい」と言って京都パープルサンガに自らの意思で入団してきた。要するに日本でプロデビューしたJリーガーだった選手がCLリーグの決勝戦を迎えているのだ。そして、驚くことに当時のサンガの監督は、現在浦和レッズの監督となったゲルト・エンゲルス監督であり、この時のFWは今季ルマン(仏)を退団することが決定的となった松井選手と朴智星のTwo-topだったのだ。今から思うと本当に贅沢な布陣であり、エンゲルス監督の先見性に関心する。朴智星の日本語は日本人の日本語と何ら変わりないレベルといわれている。京都時代に大阪経済法科大学に入学したりして、日本語を完璧にマスターしている。サンガがJ2に落ちたときでもサンガに留まりJ1復帰を一年で果たした。また、朝鮮総連系の在日朝鮮人京都府体育協会の呼びかけに応じて京都朝鮮中高級学校サッカー部の練習に参加したり、「京都韓国学園の生徒をJリーグの試合に招待したり、韓国京都青年会議所が中心となって開催している「韓日親善少年サッカー大会」にゲスト参加したりして、北朝鮮や日本との架け橋に一役買ったりもしてきた。
10代から海外に出て、遂にサッカーの最高峰といわれるCL決勝まで昇りつめた朴智星の勇姿に感動したい。CLリーグが終わると、今年はすぐさまスイスとオーストリアで共催されるEuro2008が始まる。当分、欧州フットボールから目が離せない。