傑作新聞

第12回 1本の電話の重み

とある電機メーカーのお客様サポートセンターをお任せ頂いていた頃、ユーザーから、「フロッピーのデータにパスワードがかかっていて開けない」というお問い合わせがあった。パスワードの解除は、弊社では出来ないことになっている旨をご案内。

すると、お客様は「メーカーなんだから、出来るはずだ。そんなの製品上おかしい。」とご立腹されてしまう。仮に出来たとしても、フロッピーの所有者と電話をされている方の本人確認も出来ない為ご案内が出来ない、とご説明しても納得していただけない。

お客様が「だったら、修理センターへ持ち込む!」とおっしゃって、そのまま切電されてしまう。

お名前もご連絡先もわからなかった為、全国の130箇所の修理センターへ上記のようなお客様がご来店されるかもしれない事を、一斉に伝えた。すると翌日、再度お客様からお電話がある。

「昨日、修理センターに持っていったけど同じことを言われてしまった。怒ったのは申し訳なかった。実は、先日父が亡くなり、遺産相続の件で親族で話あっているのだが、どうやら、このフロッピーに遺言が残されているらしい。弁護士が絡む遺産相続になっており、どうしても内容を確認したい。どうにかならないか?」とお話しをしてくださった。 

クライアントに確認するがメーカーではパスワードの解除はどうしても出来ないとの事。 

しかし、お客様の気持ちにどうしても答えたかったため全国の修理専門店やOA機器店にMPGが電話で確認をした。

するとなんと、日本に一件だけ、パスワードの解除を行ってくれる店があったのだ。 

クライアントに何とか情報をお伝えしたいとお願いし、クライアントも、メーカーとしてその情報をお伝えする事は出来ないが”個人的な意見として”なら構わないとの許可を頂く。

すぐに、お客様に電話をして”メーカー(会社)として”ではなく”個人的な意見として”、お店の情報をご案内した。

後日、お客様よりお礼の電話が入り無事に内容の確認が出来たとの事。

そして、こちらがメーカーの立場としてお伝えできない情報を”個人的な意見として”教えた事情をご理解してくださり、大変感謝されていた。一本の電話が人の人生すら左右してしまう事を改めて痛感させられた瞬間だった。

■文責:コンタクトセンター事業部/坂上

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