傑作新聞

第19回 [北京事情]中国夏の風物詩

中国の夏の風物詩と言えば、ずばり「膀爺(バンイエ)」だと私は思う。膀爺とは、「上半身が裸の男性」という意味である。

我が家でも家の中を父親が「膀爺」姿で歩くことがあるが、中国では夏になると路上の至るところで彼らを発見できる。ゲームに熱中している膀爺、1日中道端に座り込んでおしゃべりにふける膀爺、街は膀爺で溢れている。初めてその姿を見た時は衝撃だったが、今ではすっかり見慣れ、暑い日にその姿を見ると夏が来たなぁと感じるほどである。

そんな中国の夏の風物詩、膀爺がある時ここ北京から忽然と姿を消した。オリンピックの数年前から、北京市民に対して「マナー向上プロジェクト」というものが発令され、首都・北京に似つかわしくないスタイルが一掃されることが決まったのだが、その対象に膀爺も指定されてしまったのだ。

そして、膀爺対策として、市政府からTシャツ数枚が支給されたのだという。シャツが無いから着ていない、という訳ではないのだと思うが、市政府からの命令だ。膀爺を街で目にしなくなった。

「マナー向上プロジェクト」では膀爺以外にも様々なマナーについて国民に呼びかけがあった。道路にタンを吐かない、ゴミを捨てない、電車やバスに乗る際の割り込まない、などなど。ゴミをゴミ箱に捨てよう!と呼びかけるCMが頻繁に流され、「エスカレーターは左側通行」と大きく書かれた看板に、黄色く目印を塗られたエスカレーターをニュースや新聞で目にした。

オリンピックが終わり、再び膀爺を目にすることがある。幸い、私としては夏の到来と共に膀爺を見るとほっとするところであるが、一度高めた良い部分での意識は、継続していって欲しいものである。

■文責:北京センター/藤田

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