傑作新聞

第5回 ファッション業界のアウトソーシングサービス

今月の「これもアウトソーシング!?」は、ITから目線を変えてファッション業界の事例をご紹介。

服飾の世界では、従来はヨーロッパやアメリカでデザインされたものがインドや中国で生産されるのが主流であったが、現在では生産過程だけでなく、デザイン過程も生産現地にアウトソーシングしてしまう光景が見られるようになってきた。

例えばインドへ。国立服飾技術学校を卒業したモハメッド・ノマン氏(23)は40人のデザイナーたちと共にバンガロールにあるアトリエで働いているが、彼はインドに居ながらにして欧米のリーバイスやジョンプレーヤーズ、ドッカーズといった有名ブランドのデザインを手がけている。

ヨーロッパに400ものアウトレット店を持つフランスのファッション企業「Orsay」も最近ノマン氏の働いているアトリエに服飾デザインをアウトソースする契約を結んだ。

また、以前デザインリーダーとして勤務していたプリティ・パリス(35)は、バンガロールに新たにアトリエを開き、既にH&MやEspritといった有名ブランドを取り扱っている。

なぜインドへのデザインや服飾関係のアウトソースが進んでいるのか。最大の利点がそのコストの低さだ。イギリスでアトリエを運営するには、インドの7倍から15倍ものコストがかかってしまうのだ。また、インドは元々、織物、衣類製品、パターン、文化の長い歴史が有り、技術的にも人的にも資源が豊富だ。もちろん、デザインだけでなく、生産まで低コストで行うことができる。

さらにインドへのアウトソーシングは、IT先進国ならではのメリットもある。REACH technologiesというBPOサービス企業ではハイテク技術を用い、使用する生地の無駄を最小限にするように計算する。また、コンピュータで型紙の作成、生地の取り方を操作するので、従来30時間かかっていた作業時間を4時間に短縮させ、作業ミスも低下させたという。

コンピュータによるデザインの見直し、素材・パターンの開発・操作は、先進国ではかなりのコストがかかってしまうが、インドでは能力の高い人材が溢れ、その人件費も安い。

今は一部のブランドだけかもしれないが、今後ファッション業界全体でアウトソースが当たり前になるときが来るかもしれない。

■文責:09年新卒/尾立

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